大学入試最前線!難関国立大の新しい入試とは?
2020年から始まる大学入試改革ではセンター試験が廃止され、新たに三つのテストにより子どもたちの能力を測るとされ
ています。それらのテストとは、以下の三つを指します。
◆高等学校基礎学力テスト
◆大学入学希望者学力評価テスト
◆大学別入学試験
今回は最後に挙げた「大学別入学試験」に焦点をあて、その内実や評価方法について解説していきます。
はじめに前提として、これからの大学入試で求められるのは
『知識・技能』
『思考力・表現力・判断力』
『主体性・協働性・多様性』
の3つ、いわゆる【学力の三要素】と呼ばれる能力であるということを覚えておいてください。
これまでの大学入試では『知識・技能』が大学合否決定のほとんどのウエイトを占めていました。しかしこれからの大学入試では『知識・技能』があることを前提に+αで『思考力・表現力・判断力』、『主体性・協働性・多様性』の能力が必要とされるようになるのです。
ではこれからの大学入試ではその3つの能力を総合的に測るためにどのような問題が出題されるようになるのでしょうか?
東京大学の先進的な問題を紹介しながら説明していきたいと思います。
【問】
「もし、地球が東から西に自転していたとしたら、世界は現状とどのように異なっていたと考えられるか、いくつかの観点から考察せよ」
この問題は2014年度に東京大学理科一類の「外国学校卒業生特別選考」で実際に出題された小論文の問題です。この問題に解答するためには学校で学んだ知識を駆使しながら、思考していくことが必要になります。
これまでの大学入試とは違い、知識だけでは答えを導き出すことができません。当然、答えも一つだけではありません。それ故に生徒一人一人が独自の観点で考えて答えを導くことが必要となってきます。
それではもう1つ、新たな問題の形式を見てみましょう。
【問】
お茶の水女子大学の新フンボルト入試
フンボルト入試とは御茶ノ水女子大学で新たに行われる新たな入試体系です。この入試体系では一次選考を兼ねたプレゼミナールと二次試験を各々2日間かけて行う二段構えの新たな入試です。
一次選考
プレゼミナールではAO受験者に大学の授業をじかに体験してもらい、その授業を受けてのレポートを評価して一次選考が行われます。
二次試験
文系はお茶の水女子大学附属図書館を舞台に文献や資料を用いて主張を練り上げ、その主張を中心にグループ討論や面接を通じて論理力や課題探求力、独創性などが評価の対象となります。(図書館入試)
理系は各学科の専門性に即した実験をもとに、データの分析等の課題や高校での学びを活かした課題研究発表などが行われ、探求する力が評価されます。(実験室入試)
1つ目の問題と大きく違う点はディベート形式の出題があるということです。その点から、この問題は『主体性・協働性・多様性』の部分に重きが置かれた問題だといえるでしょう。自分の考えを述べることももちろん大事ですが、周りの人の意見も聞いたうえで意見を述べなければなりません。協働性の部分が問われます。
これからの大学入試ではこのように今までとはまったく違う入試問題が出題されることになるでしょう。問題を発見し、解決する力。持っている知識・技能をいかに駆使して答えのない問いに答えることができるか。
これらの大学入試の変化にどのように対応していけばいいのか。
2020年に向けて子ども達はなにをすべきなのか。
保護者は子どもにどんな教育を受けさせることが必要なのか。
教師はどのような授業を行うべきなのか。
それぞれの立場からきたるべき大学入試改革に向けてやれることが必ずあります。
今、目の前の子どもに対して何ができるかを今回のフォーラムで考えてみませんか?
◆五月祭教育フォーラム2017◆
大学入試改革!問われる新たな能力! 〜現場と家庭は何をすべきか〜
【日付】5月21日(日)
【時間】13:30〜16:30
【場所】東京大学本郷キャンパス法文1号館25番教室
【参加費】無料
【お申し込み】こちらのフォームにご登録ください
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